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リバースプロキシとは

リバースプロキシとは、WebブラウザなどのクライアントとWebサーバーの間に設置される仲介役のサーバーやネットワーク機器です。外部からのリクエストを一旦受け取り、内部のWebサーバーに代わって応答を返す仕組みを持っています。
主な役割
- クライアントからのリクエストを受けて、適切なWebサーバーに転送する
- Webサーバーの代理として応答を返す
- 負荷分散やキャッシュ、セキュリティ強化などの機能を提供する
メリット
- 外部からWebサーバーへの直接アクセスを防ぐため、セキュリティが向上する
- 複数のWebサーバーにリクエストを振り分けて、負荷分散ができる
- キャッシュ機能によってWebサーバーの負荷を軽減できる
プロキシとの違い
- 通常のプロキシ(フォワードプロキシ)は「クライアント側」に設置され、クライアントの代理としてサーバーにアクセスします。
- リバースプロキシは「サーバー側」に設置され、サーバーの代理としてクライアントからのリクエストを受け付けます。
「プロキシはクライアントの代理人、リバースプロキシはWebサーバーの代理人という位置づけになります」
リバースプロキシは、Webサービスの安定運用やセキュリティ強化、パフォーマンス向上に欠かせない仕組みです。
リバースプロキシの例
リバースプロキシはさまざまなシステムや用途で利用されています。代表的な例や実装方法を紹介します。
代表的なリバースプロキシソフトウェア
- nginx:高性能なWebサーバーであり、リバースプロキシとして最も広く使われています。
- Apache HTTP Server:モジュール(mod_proxy)を使ってリバースプロキシ機能を提供します。
- IIS(Internet Information Services):MicrosoftのWebサーバーで、URL Rewriteモジュールを使ってリバースプロキシを構築できます。
- squid:主にフォワードプロキシ用途ですが、リバースプロキシとしても利用可能です。
具体的な利用例
- nginxを使って、外部からのリクエストをWordPress(Apacheで稼働)に転送する構成。
- nginxでRuby on Rails(Puma)アプリケーションへのリバースプロキシ設定。
- IISでRedmineやKibanaなどのWebサービスをパスごとにリバースプロキシ経由で公開。
- 複数のWebサーバーへの負荷分散や、A/Bテスト、アクセスログの集中管理など。
特殊な用途の例
- 大規模サービス(例:メルカリ)での認証やアクセス制御。
- 過去には漫画村事件のように、第三者のコンテンツをリバースプロキシ経由で配信した例もあります(違法利用例)。
まとめ
ソフトウェア | 主な用途・特徴例 |
---|---|
nginx | 負荷分散、キャッシュ、SSL終端、各種Webサービスの前段 |
Apache | mod_proxyによるリバースプロキシ、各種Webアプリの公開 |
IIS | URL Rewriteでリバースプロキシ、Windows環境でのWeb公開 |
squid | フォワード・リバース両対応、キャッシュサーバー用途 |
リバースプロキシは、セキュリティ・パフォーマンス・柔軟なルーティングのために幅広く使われています。